警棒の購入を検討するとき、何を重視するでしょうか。価格・使用している素材・カラー・長さなど様々あると思いますが、そのなかでも「素材」や「強度」を重視するという方はかなり多いかと思います。
警棒は、危険な目に遭いそうなときに自分の身を守るために使用する護身用品なので、緊急時に使用して折れてしまうという心配があると安心して使用することができません。なので強度が高いというのは安心材料にもなるといえます。ですが、警棒の強度が高いというのは何を持って判断することができるのでしょうか。使用している素材? 確かにこれは重要な要素ですが、素材は警棒用に加工するので単に「素材の強さ=警棒の強さ」とはなりません。警棒の強度検査をすることで、初めてその警棒の強さが分かるのです。
警棒の強度検査はどのようにするのか
ボディーガードでは実際に、先日警棒の強度検査を行ってきました!(詳細は別記事)
先にも書いたように「素材の強さ=警棒の強さ」とはならないため、警棒の強さを知るためには実際に実践を想定して検査をする必要があります。当店では警棒の一番弱い部分である「シャフトのつなぎ目部分」に負荷をかけて耐荷量をはかり、出た数字を「警棒の強さ」としました。詳しい結果は別記事で紹介します。
当店ではこれまで、実際に警棒を叩いてみてその曲がり具合などで強度がどうかを判断していました。今回の強度試験では実際にそれぞれの素材の警棒の強度を数値化して、どれがどのぐらい強いのかをよりわかりやすくしました。
打撃テストの動画(YouTube)
他社の耐荷量と比較はできない!
このように実践を想定して耐荷量の計測をしたため、他社が公表している耐荷量の数値と単純に比較することはできません。素材の強度の数値を掲載していることがほとんどなこと・もしくは計測方法が全く異なるためです。実践を想定して検査(警棒の弱い部分に負荷をかける)ことで、検査結果の数値は素材自体の強度の数値と比べると小さくなりますが、実際の使用時の強度に近い数字が出るため商品選びもしやすくなります。
強い警棒とは何か
「強い警棒とはどんなものか」と聞かれたとき、多くの人は「素材が硬くて重く、どんなに力を加えても曲がらないもの」と答えるかもしれません。実際、一部のメーカーや販売店が「重りをぶら下げても曲がらない!」といった実験画像やデータを提示し、それを「強さの証明」としてアピールしているケースも見受けられます。
しかし、実際のところ「素材の強さ=警棒の強さ」ではありません。護身用として警棒を使用する場面では、警棒は一点に強い衝撃を受けることが前提となります。このため、警棒全体の素材強度ではなく、特に最も壊れやすい部分(シャフトのつなぎ目など)の衝撃耐性こそが、「壊れない」「曲がらない」警棒かどうかを判断する上で重要な基準になります。いくら強度が高く見えても、どこか一か所でも弱点があれば、そこから破損するリスクがある。つまり、実戦においては「弱い警棒」になり得るのです。
加えて、現在流通している高品質な警棒の多くは、もはや人間の力では曲げることすらできないほどの強度を持っています。そうした背景を踏まえると、それ以上のスペックを追い求めることは実用面ではほとんど意味がないとも言えるでしょう。
だからこそ、ボディーガードが考える「強い警棒」とは、単に「硬い」「折れにくい」といったことではなく、「簡単には壊れず、護身に必要十分な強度を備え、価格や性能とのバランスが取れているもの」です。
本当におすすめしたい警棒とは、過剰なスペックを誇る製品ではなく、実用性と信頼性を兼ね備えた道具として優れているものなのです。
同じ耐荷量の数値でも、その数字が何の数字なのか・どのように測定して出た数字なのかで捉え方も変わってきます。警棒を選ぶ際には実践に近い方法で測定した耐荷量を是非参考にしてください


