地震や台風、大雨などの災害に備えて、食料や飲料水、防災グッズを用意している家庭は多いのではないでしょうか。
しかし災害時に必要なのは、命を守るための防災対策だけではありません。
避難によって無人になった住宅を狙う侵入盗や、避難所での置き引き、復旧業者を装った不審な訪問など、混乱に乗じた犯罪にも注意が必要です。
停電や建物の破損によって、普段使用している防犯設備が機能しなくなる可能性もあります。
災害発生後に慌てないためには、平常時から「防災」と「防犯」をセットで考えておくことが大切です。
そこで今回は、災害時に想定される犯罪と、家庭で準備しておきたい防犯対策について解説します。
災害時に防犯リスクが高まる理由
災害が起こると、地域の生活環境は普段と大きく変わります。
なぜ犯罪が起こりやすい状況になるのか、主な理由を確認しておきましょう。
避難によって留守宅が増える
避難指示や建物の損傷によって、多くの住民が自宅を離れると、地域内に無人の住宅が増えます。
さらに、窓ガラスが割れていたり、避難を急いだため戸締まりが不十分だったりすると、侵入されやすい状態になります。
家財道具を運び出していても、片付けや復旧作業に見えるため、不審に思われにくい点にも注意が必要です。
停電や設備の故障で防犯力が低下する
停電が発生すると、電源を必要とする防犯カメラ、センサーライト、電子錠などが使用できなくなる場合があります。
地震や強風でカメラの向きがずれたり、窓やドアが破損したりする可能性もあるため、通常と同じ防犯環境が保たれるとは限りません。
地域全体が混乱している
災害直後は、住民だけでなく警察や自治体、消防なども救助や復旧対応に追われます。
地域には支援者や作業員、ボランティアなど多くの人が出入りするため、不審者が紛れ込んでも見分けにくくなります。
普段なら気づける異変を見落としやすいことも、防犯リスクが高まる理由です。
災害時に注意したい犯罪
災害時の犯罪は、留守宅だけで起こるわけではありません。
避難先や復旧活動中にも警戒が必要です。
留守宅を狙った空き巣・窃盗
避難で長期間家を空ける場合、現金や貴金属、家電製品などを狙われる可能性があります。
壊れた窓やドアから侵入されることもあるため、安全が確認できた後は、可能な範囲で住宅の防犯状態を整えることが重要です。
避難所での盗難や置き引き
多くの人が共同生活を送る避難所では、荷物を管理しにくくなります。
財布やスマートフォン、身分証明書などを枕元や荷物の上に置いたままにすると、盗難に遭う可能性があります。
避難所内であっても、貴重品は肌身離さず持ち歩きましょう。
支援者や業者を装った詐欺
災害後は、修理業者や自治体職員、ボランティアなどを装い、住宅へ入り込もうとする手口にも注意が必要です。
「屋根を無料で点検する」「支援金の手続きに必要」などと言われても、その場で契約したり、現金や個人情報を渡したりしてはいけません。
平常時に準備したい災害時の防犯対策
防犯対策は、災害が起きてからでは十分に行えない可能性があります。
避難用品と一緒に準備しておきましょう。
電源不要の防犯グッズを用意する
停電に備えて、電池式のセンサーライトや防犯アラームを用意しておくと安心です。
防犯ブザーやホイッスル、南京錠、ワイヤーロックなども防災バッグに入れておけば、避難所や車中泊で活用できます。
定期的に電池残量や動作状況を確認しておきましょう。
自宅の戸締まり方法を家族で共有する
避難時は命を守ることが最優先ですが、安全に対応できる状況であれば、玄関や窓を施錠してから避難します。
雨戸やカーテンを閉め、室内の様子や留守であることが外から分かりにくい状態にすることも大切です。
脚立や工具など、侵入に利用される可能性がある物は、鍵のかかる場所へ収納しましょう。
地域の防犯情報を受け取れるようにする
自治体や警察が配信する防災・防犯メール、公式アプリなどに登録しておきましょう。
災害情報だけでなく、不審者や詐欺、盗難に関する情報を受け取れる場合があります。
停電や通信障害も想定し、携帯ラジオなど複数の情報収集手段を用意することが重要です。
避難先で身を守るためのポイント
避難所や車中泊では、普段とは異なる環境で生活するため、行動面の対策も欠かせません。
貴重品は常に身につける
現金・スマートフォン・鍵・身分証明書などは、小型の斜め掛けバッグやウエストポーチにまとめましょう。
就寝時やトイレへ行くときも持ち歩き、荷物の中に置いたままにしないようにしましょう。
できるだけ単独行動を避ける
トイレや人気のない場所へ行く際は、家族や周囲の人と一緒に行動します。
特に夜間や停電中は周囲が見えにくくなるため、子どもや高齢者、女性が一人にならないよう、家族内でルールを決めておくことが大切です。
知らない訪問者の身元を確認する
自宅や避難先で支援者を名乗る人に声をかけられても、すぐに信用してはいけません。
所属先や氏名、訪問目的を確認し、不審に感じた場合は自治体や勤務先へ直接問い合わせましょう。
確認できるまでは、家の中へ入れたり個人情報を伝えたりしないことが基本です。
自宅へ戻るときも油断しない
避難後に荷物を取りに戻る場合は、可能な限り複数人で行動しましょう。
建物の周囲には倒壊物による死角が生まれ、不審者が潜んでいる可能性もあります。
住宅へ入る前に窓やドアの破損、侵入された形跡がないかを確認し、異変があれば中へ入らず警察へ相談してください。
また、片付けや修理の予定をSNSへ詳しく投稿すると、不在時間を知られる可能性があります。
災害時であっても、行動予定や避難場所の公開には注意が必要です。
まとめ
災害時は、避難や停電、建物の損傷によって、普段よりも防犯力が低下しやすくなります。
留守宅への空き巣だけでなく、避難所での盗難、支援者を装った詐欺、人気のない場所でのトラブルなど、さまざまな犯罪を想定しておくことが大切です。
電源不要の防犯グッズを防災バッグに入れる、自治体の防犯情報へ登録する、貴重品を身につけられるバッグを準備するなど、平常時にできる対策は少なくありません。
防災用品をそろえるだけで安心せず、家族の行動ルールや自宅の施錠方法も一緒に確認しておきましょう。
防災と防犯の両方に備えることが、災害時の命と暮らし、財産を守ることにつながります。
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